はじめに
エルゴトロンモニターアームを買って一定数の人には問題が生じる。
その一つが初めから付いているクランプやグロメット(穴の開いた机に取り付ける方式)が使えないということ。購入前から調べている人も多いかもしれないが、購入後に気が付く人もいるのではないだろうか。
せっかく高いお金を出して購入したエルゴトロンが取り付けられなければただの近代アートオブジェとしてしまわれることになる。買ったものはどうにかして取り付けをしたいというのが本望だろう。
解決手段の一つとして、この記事では、机に実際にドリルで穴を開ける方法を紹介する。
問題点:クランプもグロメットも使えない。
まず、単純に思いつくのはクランプ式。よく机にライトを固定するためにライトが使われる。写真の手前の白いクランプは奥行があまりないので、取り付けができた。しかし、エルゴトロンとなると話は別だ。
ディスプレイという重いものを乗せなければならないので、耐荷重性能が求められる。その結果、クランプが大きくなり、持っている無印良品の机ではクランプが付けられなくなってしまっている。
クランプがはまらない状態での次の選択肢はグロメットとなるが、机に穴が開いていなければならない。最後にたどり着いた結論は机に穴を開けるというもの。
3,5000円で購入した無垢材の無印のお気に入りの机に穴を開けるのは非常に勇気が要ることだったが、諦めて穴を開けることにした。
必要な工具:家庭用電動ドライバーと六角軸先三角木工ドリル
まず最初に、電動ドライバーと六角軸先三角木工ドリルを用意する。この時点で私は非常に悩みを抱えていた。というのは、電動ドライバーとドリルで2センチもの厚みのある木材に穴を開けることができるのだろうかと心配だったからだ。
よく大工さんが使う道具でマキタとかの本格的な電動ドライバーがあるが、そのようなプロ用のパワーが大きいドライバーでなければ、穴があけられないのではないかと心配になった。
ホームセンターで店員さんに確認したが、明確な回答は得られなかった。ドリルを家庭用の電動ドライバーに付けることに関しては、ネットでさえあまりに情報が載っていなかった。
不安で2時間もホームセンターでスマホをいじったりしながら悩んだが、時間がもったいないと思って諦めて購入を決断した。
結果的に、悩んだのが時間の無駄と思える程に簡単に穴を開けることができた。
①穴を開ける位置を決める
まず、穴を開ける位置を決めて鉛筆で目印をつける。
一度穴を開けると、二度ともとには戻せないので、机の下をよく見ながら、慎重に決めなければならない。私の机の場合、引き出しが付いているので構造が複雑なため、穴を開けられる場所を間違えると支柱や梁に傷をつけてしまい、使い物にならなくなる危険があった。
実は掲載写真には載せていないが、穴は2つ開けることになってしまったのだ。この記事を読んでいる方々には同じ思いをしてほしくないので、位置決めは時間をかけてやってほしい。
机の裏側で金具を着けられるだけの十分な面積が無いか確認する必要がある。画像では、金具が斜めになっているが、これは苦渋の選択の末の結果だ。穴を開ける位置をより机の橋に近い方向にしたいところだが、それをしてしまうと、机の中心に近い部分に穴を開けることになり、設置後に土台部分が手前に来ることになって、作業面積が少なくなってしまうからだ。
また、穴の直径は説明書に書いてあるので要確認。穴のサイズによって微妙に穴が合うか変わる場合がある。エルゴトロンLXの場合は8㎜の口径。
- ディスプレイをつけないで、アームの土台だけの状態でネジをつけて実際に配置しながら、そのネジの先端に鉛筆で印をつける
- メンディングテープかPPロープでその印の上が交点になるように、机の天板表面に垂直な線を引く
- 机の裏側を通して2つの線を一周させる
- 机の裏側の交点を確かめ、梁や柱などの穴を開けられない場所でないか確認する
- 最終的に穴を開ける位置を決定して鉛筆の印を修正する
②ドリルで穴を開ける
家庭用電動ドライバーで速度が遅いので引っ掛かったりしてドリルの刃が折れたりしないか不安があるかもしれないが、問題ないのでそのまま穴をあけてほしい。(自己責任)
ゆっくりだが、綺麗に表面から削り取られていく。
時間は20秒くらいですぐに終わる。穴の形はプロが開けたようにすごく綺麗だ。材質が固めのオーク材なのでこのようにうまくいったのかもしれない。柔らかい杉とかだと、割れたりするかもしれないので、目立たない場所や材質見本で試験するとよい。
穴をあけ終わったら、あとはモニターアームを通すだけ。
モニターアームで世界が変わる
今まではモニターに付属していた純正のスタンドを使っていたが、あまりにも場所が取られすぎていた。モニター下の空間が見事バースピーカーの収納位置となった。
ネットなどを探してもなかなか情報が出てこなかったので、この情報が誰かに役に立てば、と思う。穴を開ける以外の選択肢として、地面に接するスタンドとか天井まで伸びるポールとかいろいろ考えたが、部屋の構造から明らかに穴を開ける選択肢しかなかった。エルゴトロンが使えるようになって本当に良かった。
おわりに
エルゴトロンのモニターアームを買った人のうち一定数に生じる、机に穴をあけなければならない状況に対して簡単に問題を解決する方法を紹介した。
わざわざプロご用達の本格ドライバーが無くても、家庭用電動ドライバーの机に穴を開けられることが証明された。
今回はモニターアーム設置のためだったが、デスクライトの取り付けなど他の用途で机に穴を開けたいという人も同じように電動ドライバーで穴を開けられるので、是非とも応用してみてほしい。