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公務員の転職が難しいのはなぜ?30代で民間に転職した経験を語る

一般的に公務員はクビの無い安定した職業というイメージがある。しかし、その典型的な年功序列社会でも公務員をやめて民間企業に移る人は多い。

転職活動をしても面接がうまくいかず、希望の業界やポジションに就けなかったりそのまま失敗して無職のまま過ごすことになる人は多い。

この記事では、なぜ公務員が転職しにくいのか、公務員をやめる前の2カ月で大手2社とベンチャー1社への内定を獲得するという実体験をもとに分析した原因を語る。また、採用側の気持ちを想定して対策するための方策を紹介する。

公務員の転職が難しい理由

  1. 金を稼ぐスキルが無いと思われている
  2. 主体性が無いと思われている
  3. 辞め癖があるのではないかと思われている

現役時代に転職サイトに3年間程アカウントを放置していた時に、たまに応募して面接まで行けた割合や、オファーのあった企業の待遇から分析した結果が上記の通り。

①お金を稼ぐスキルが無いと思われている

民間企業の人事担当は、特に転職市場だと即戦力(明日にでも金を稼ぐ力)を求めている。明日にでも商材を持って営業に出向き、売り上げ目標の達成に貢献できる人間を求めている。

医師や会計士など、民間で稼ぐことのできる資格保持者を除いて、公務員の総合職・一般職・行政職・事務職の仕事は、いくら業務処理能力が高くてもその職務遂行能力で直接金を稼ぐことはできない。

公務員の仕事では、民間企業のほぼ全てで求められる売り上げに貢献するスキルが身に付かない。それは、キャリアの始まり方からしても分かりやすい。

公務員の採用が厳格な試験で選ばれるのに対し、民間企業ではコミュニケーション=相手と仲良くなって商品を買ってもらうスキルで採用が決定する。

②主体性が無いと思われている

会社に要らないと思われる理由の一つに主体性のないというイメージがあげられる。

公務員の仕事は銀行員などのように上から指示されたことをただやっているだけのイメージを持たれている。実際にそういう面があるのは間違いないのだが。

全てが法令や規則で厳格に定められている公共機関と異なり、あいまいに決まっていて答えが無い民間企業では個人の自発性を求められることが多い。本当に重要な基礎的な書類業務やルーチン業務を生産性のない仕事だと考えている。

また、世間一般的に思われている公務員のイメージは、平日昼間の人がいない役所でただ座っているだけの事務員という印象が強く、怠け者という印象を持ってい持っている人が相当数いる。

そのような人は、公務員にボーナスが支給されることに強い疑問を持っている。言われたことをただこなすことでは経済的な利益を生み出せないと思っている人は本当に多い。

③辞め癖があるのではないかと思われている

世間の公務員のイメージは、売り上げを上げる努力や貢献をしていなくても、椅子に座っているだけで高い給料がもらえるというものだ。

公務員は採用試験に受かった後、一生の仕事として考える人が多い。そんな覚悟で就いた職を捨てようとしているのだから、ウチもすぐやめてしまうんじゃないの?と考える採用担当者は多い。

公務員は、無断欠勤や職務怠慢、犯罪を犯すようなことでもしない限り、いくら無能でも定年退職まで組織に身を置くことができる。

応募先の採用担当者に安定した身分を捨ててまで民間に転職しなければならない程、何か問題を起こしたのではないか、と思われることがある。

民間への転職を成功させるためのポイント

転職活動の面接で重要なのは、①②③の採用側の誤解を解いてあげることだ。それぞれ対策方法があるので、紹介する。

対策①お金を稼ぐスキルが無いと思われている

売り上げに貢献できそうなポテンシャルを想起させることだ。仕事で培ってきた能力が応募先の会社でも活かせて、その能力で売り上げに貢献できそうなイメージを抱かせるのが重要だ。(あくまでイメージで実際その通りでなくてもよい)

そのために、学歴や採用試験・業務内容の難しさで、勉強を頑張ってきたとか難しい仕事をしてきた過去の実績から、応募先で未経験で入社しても成長できる正にポテンシャルを持っていることを示すことが要点となる。

対策②主体性が無いと思われている

今まで本当は仕事として命じられてきたものをやらされていたのではなく、いかにも自分の意思でやったかのように書き換えるのがよい。

ものは捉えようで、その命令された中で普通の公務員とかだったら~するけど、自分は~と考えて~をした結果うまくいったというようにアピールすることで、むしろ自分を売り込むことができる武器に変わっていく。

対策③辞め癖があるのではないかと思われている

もう一つが、すぐに辞めないかという採用担当者の不安を払拭することだ。そのためにどうして公務員をやめようと思ったのかを前向きな理由をつけて説明することが求められる。給料が低いとか、転勤があって家族に負担がかかるという転職理由はもっともらしいが、イメージとしてはあまりよくない。

マイナスイメージも少なくとも転職理由に含めてもいいかもしれないが、その後には必ず新しい自分のスキルを見出してみたくなった、とかこういう業界でこういう仕事が自分に合っていると思ったという明るい内容を盛り込んでポジティブなイメージを面接官に刷り込む必要がある。

まとめ

公務員の仕事は金に換えられない価値があると思う。場合によっては民間の人には一生かかっても理解されないかもしれない。

そんな仕事だからこそ辞めるときはそれなりの覚悟を持って、気持ちを真逆の方向に切り替えていかなくてはならない。

対策をすれば転職は怖くない。むしろ、いろいろな人生の可能性があるきっかけとなるものだ。この記事で紹介したことを意識することで転職活動中の公務員がバラ色の人生を歩むことを願っている。

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